データ原稿でも書いてみるべいと、若手騎手について調べてみました。以下、見習騎手の脚質別データです。「逃げ」・「先行」の数字は、「逃げ率」・「先行率」と解釈してください。単位は%で、分母は連対数ではなく騎乗数です。すなわち、「どう乗ったときに来たか」ではなく、「どう乗ったか」のデータです。

◆見習騎手別 脚質データ
      逃げ  先行  差し   追込   捲り  逃+先
石橋脩   08.6  24.7  33.4  32.2  01.0  33.3
北村浩平  09.0  24.1  40.5  26.0  00.0  33.1
加藤士津八 07.2  21.4  39.4  31.9  00.0  28.6
松岡正海  05.8  21.1  39.0  33.6  00.4  26.9
生野賢一  05.4  20.8  38.5  34.8  00.3  26.2
長谷川浩大 05.8  17.2  38.6  37.6  00.6  23.0

藤岡佑介  06.9  27.4  35.8  29.1  00.6  34.3
丹内祐次  07.7  21.0  39.3  32.0  00.0  28.7
川田将雅  03.5  22.1  44.6  29.1  00.3  25.6
津村明秀  07.4  17.4  39.6  33.7  01.5  24.8

〜参考記録中舘英二  14.8  38.8  28.4  17.0  00.9  53.6
福永祐一  07.7  34.5  37.2  20.3  00.3  42.2
蛯名正義  08.3  32.1  34.7  23.1  01.7  40.4
吉田豊   10.6  20.3  34.4  33.6  00.8  30.9

※ データ採取期間 = デビューから05年1月30日まで
※ 「参考記録」のデータ採取期間は03年1月1日〜05年1月30日

 データ採取期間が1月末になっているのは、この原稿の着手が2月初旬だったからです。書き上がりが遅すぎ。今さら調べ直すのも面倒なんで、このまま掲載します。すんません。

 表を見るとわかるとは思うんですが、長谷川クンまでが3年目世代、藤岡クンからが2年目世代で、私の視界に入っている騎手だけを抜き出して調べました。また、参考記録は「脚質が極端と私が判断している騎手」です。比較対照として使いたかったんで掲載しました。吉田豊無頼派らしく、逃げるか追い込むかというレースをすることが多いのねとか、そんなことはさておき。

3年目世代

 北村浩と石橋修の逃げ・先行率が高い模様。これはイメージ通りの数字でした。長谷川はのんびり回ってくる印象が強かったんで、これまた納得です。意外なのは生野。確かに砂の中距離で差させると上手なのですが(エンシェントヒルの感じ)、もっと前に行っていると思ってました。

2年目世代

 私の中の藤岡って「このまま育てば松永幹夫」です。前半のポジション取りが命綱な騎手で、差させると味がないイメージ。幹夫ほどじゃないけど、差すなら最内か大外ってのが多い安全運転型。そう考えると、逃げ・先行率の高さも納得です。あと、津村のマクリ率の高さにビックリ。蛯名とそう変わらないってのは相当なモンだと思います。

調べて感じたこと

 参考記録と比べると見習騎手の逃げ・先行率が軒並み低いんですが、これは「騎乗馬の質」でしょう。前に行くことすらままならん馬まで回ってくることを考えれば、低くなるのも仕方ないと判断できます。
 私の中の「信用していい騎手」って、「最後までヤメない」・「積極的に仕掛ける」・「内を突く」ような乗り方をしてくれる騎手です。この3つを比較的ちゃんとやってくれる若手って、大庭・田辺・松岡あたりなのですが、最近ヤメない系で津村が目立つんで推してました。
 上のデータでは「ヤメない」と「イン突き」は立証できないんで何とも言えないんですが、「津村の仕掛けは積極的(=マクリ率が高い)」なことがわかっただけでも収穫でした。何でもかんでもマクるようになるのも困りものですが、直線までじっとして着拾いみたいな乗り方をするよか、よっぽど好感が持てるってなもんです。まだ若いんだから、早仕掛けなんて気にせずガンガン行けばいいんだ。砂金さんも書いていましたが、負けるにしても負け方ってあるし。